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【飲む日焼け止めの効果・効能】

紫外線対策として「飲む日焼け止め」を飲めば、サンスクリーン剤を塗らなくても日焼けを防御できるのだろうか。

今現在、紫外線から皮膚を守る効果が科学的に証明された飲む日焼け止めはないといわれている。それが証拠にはアメリカ食品医薬品局(FDA)は、「飲む日焼け止め」のような錠剤やカプセルをサンスクリーン剤などの代替として使用するべきではない」と発表している。


紫外線を照射したとき「飲む日焼け止め」は実際にどれくらい効果があるのか。

ヒトを対象にした実験データーによると「飲む日焼け止め」を摂取した場合、サンスクリーン剤のSPFに換算するとSPF1.5ほどの効果があることが認められた。さらに1カ月間連続で摂取したところ、SPFの数値はあがらないことがわかった。

「飲む日焼け止め」は皮膚の日焼け(サンバーンやサンタン)を防ぐ効果はなく、塗る日焼け止めの代わりとなるものではないといえる。


「飲む日焼け止め」とよばれるサプリメントは、スペイン発祥でシダ植物やローズマリー抽出物の抗酸化成分を主成分としている。そのため乾燥から皮膚を守り潤いを与える、メラニンの生成を抑制するなど紫外線によって受ける皮膚ダメージを軽減する作用があることが認められている。


紫外線による皮膚の劣化を防ぐためには、塗る日焼け止めで紫外線の光を防御することに加えて、サプリメントの抗酸化成分で身体の内側からサポートすることでより効果を発揮するといえる。



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【花粉症と五臓の関係】

東洋医学的な考え方では、花粉症は体内の水分バランスの異常から起こるとされている。身体の必要なところに水分が少なく、特定のある部分にたくさん溜まっている状態のことをいう。そのため、余分な水分が涙や鼻水のもととなり溢れ出る症状があらわれるようになる。


水分代謝に関係する五臓は「脾」(消化器系)である。「脾」(消化器系)の働きが低下すると余分な水分が身体に溜まりやすくなり、花粉症の症状は悪化することが知られている。鼻水や涙が出る症状に加え鼻づまりを伴う場合は、「脾」(消化器系)の機能低下が原因といえる。


また、「肺」(呼吸器系)の働きが乱れると体の表面を守るバリア機能が弱くなり花粉が侵入してきたり、外からの刺激に敏感になるといわれている。この場合、くしゃみを連発してアレルゲンを体外へ追い出そうすると防衛反応を起こすことが認められている。


さらに体力の低下が抵抗力を奪うことも花粉症の原因のひとつといわれている。このタイプは「腎」(生命維持機能)の働きが不足してことが考えられる。

うすい鼻水や涙が出る症状だけでなく、体の冷えもしくはのぼせがあらわれる。



【花粉症を招く生活習慣】

花粉症の対策としては、五臓を健全にすることが大切になる。五臓に負担をかけて花粉症を招く生活習慣は以下になる。


♢脾(消化器系)の機能失調による花粉症のタイプ

水分の摂りすぎ、冷たい飲食物の摂りすぎ、生ものの摂りすぎ、甘いものの摂りすぎ、脂っこいものの摂りすぎなど


♢肺(呼吸器系)の機能失調による花粉症のタイプ

抗生物質や鎮痛剤の飲みすぎ、薄着、エアコンに頼りすぎ、行き過ぎた清潔志向、添加物の摂りすぎ、もち米の摂りすぎ、食物繊維が少ない食事など


♢腎(生命維持機能)の機能失調による花粉症のタイプ

運動不足、薄着、冷たい飲食物の摂りすぎ、老化、睡眠不足、休息不足など




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【気候と身体の変化について】

気温が上がり温かくなる春はエネルギー(気)が旺盛になり、草木が芽吹く季節である。

整体観念ではエネルギー(気)は東方から吹き、温かい春風にのって冬に寒く固くなっていた人間のからだは柔らかくなり温まっていくとされている。さらに心もからだも伸びやかに成長しはじめ、「何かをはじめたい」と思う心が芽生えやすくなる。このことから自然との統一性を深く求めて生きているといえる。


東洋医学の理論における春は、五臓の「肝」と関連性があるとされている。その主な生理的機能は以下になる。

①精神、情緒の安定を維持する。②血液循環を正常に保つ。③血液量を調節する。④水の代謝を順調に行う。⑤消化吸収を促進する。⑥女性の排卵、月経を正常に保つ。


エネルギーの盛んな春の季節になると「肝」のエネルギーも盛んになりやすくなる。

「肝」の働きのよいときは、集中力が高く分析力に長け思慮明晰であることが認められている。一方「肝」の働きが盛んになりすぎると、自律神経が乱れ、怒(イライラする)の感情に傾きやすいことがわかっている。その症状は目が血走ったように赤くなったり、頭痛、めまい、不眠、アレルギーなどがある。




【春の養生ポイント】

春の養生の基本原則は身体のエネルギー(気)を保ち調節することである。

生活の変化の多い春は、精神的なストレスをためやすくなる。このことは長期の交感神経の興奮状態を招くため、「肝」を傷めることになる。吐く息を意識してゆっくりと深呼吸すると、副交感神経を刺激して不安や緊張、疲労を緩和する働きがあることがわかっている。手軽にできる養生法としておすすめである。


「肝」は木のように伸びやかさを好み抑鬱を嫌う性質をもつといわれている。

朝は早く起きのんびり戸外を散歩しながら、朝日を浴びて新鮮なエネルギー(気)をたっぷりと吸収することが大切になる。心中の意欲をおこし伸び伸びと成長させて押さえつけないようにするとよいと考えられている。さらにどんどん行動して発散させると効果を期待できる。






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【皮膚ガス】

人は緊張による心理的ストレスが加わることで皮膚から特徴的なニオイが発生することがわかっている。これは皮膚表面から放出される気体のことで「皮膚ガス」という。

人が緊張によるストレス状態にあるとリラックスしている時と比べて、心拍数が増し交感神経が優位となり、さらにはストレスホルモンといわれるコルチゾールが唾液中で増加し、硫黄化合物のような特有のニオイが皮膚から発生する。皮膚ガスは生理的に重要な指標であり、心理的変化も捉えることができることを示すものとなっている。


皮膚ガスは体調、加齢、情動、食事などを反映して変化する。皮膚ガスの中にはアセトンなどほぼ無臭のガスもあるが、ノネナール(加齢臭)に由来するニオイのガスもあり、本人や周囲がそのニオイを感じることがある。さらに鼻だけではなく皮膚もノネナールを感知し、表皮細胞(ケラチノサイト)がダメージを受けて皮膚が薄くなることが明らかになっている。



【発病と体臭の法則】

東洋医学では、人体の組織器官と体臭は密接な関わりがあると認識されている。そのため体の臭いの異常によって組織器官の病的な変化がわかるといわれている。


自律神経系の異常があるとき・・・

獣肉のようなあぶら臭さがする。「ワキガ」特有のにおいがこれにあたる。皮膚が脂性肌に傾くこともある。


心臓機能の異常があるとき・・・

焦げ臭いにおいがする。


消化器系の異常があるとき・・・

甘く香ばしいにおいがする。糖尿病の人から放出されるが多い。


呼吸器系の異常があるとき・・・

魚のような生臭さがする。かぜで痰がたまったときに発生するにおい成分である。


内分泌系、泌尿生殖器系の異常があるとき・・・

腐ったようなにおいがする。加齢に伴い発生する皮膚ガスの原因物質である「加齢臭」がこれにあたる。





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【気候と身体の変化について】

整体観念からみると、冬は気候が寒く草木は枯れ水は凍り、自然界と動物界はみな冬眠状態となる。この閉蔵といわれる季節に応じて、睡眠時間をたっぷり取り皮膚を外に出したり汗をかかないように心がけて寒さをさけ暖かくするのがよいとされている。さらにエネルギーを体内に集めて蓄えることが大切だといわれている。


古代哲学では冬と深い関わりをもつ「腎」は「作強の官」とされ、全身のエネルギー源として気力、精力を起こし、体を強壮するものとされた。

東洋医学の観点においては、老化とは加齢に伴い「腎」の働きが衰えて生命エネルギーが減っていくと考える。現代医学における生命維持機能、内分泌系、泌尿生殖器系、神経系をあらわす。


東洋医学の養生思想において、冬は「腎」と関係する疾病が起こりやすくなるため「腎」を中心に補う季節であるといわれている。養生を逆らうと、遍く「腎」の働きが損なわれて、健忘、疲れがとれない、抜け毛や白髪が増えるなど老化現象があらわれる。



【冬の養生】

「腎」は冷えに弱く、特に冬の寒さに影響を受けやすいとされている。さらに冬の皮膚はかたく収縮するため体内の不要な水分のほとんどは汗ではなく膀胱の働きで尿として排出される。そのため「腎」への負担が大きくなる。


冬の養生の原則は寒さから身を守ることが大切になる。特には寒邪が侵入しやすい首、腰、足首は温めて保護し、体を温める鍋やスープなどの食事はおすすめである。

さらに「腎」の働きを高める食材である、ひじき、わかめ、牡蠣、あさり、いか、かになど塩辛い味のものや、黒ごま、黒豆、昆布など黒いものを積極的に摂ることがポイントになる。


冬は志を心の内に秘めて過ごし春を待つことが大切になる。いたずらに生命エネルギーを漏らすことなくしっかりと秘蔵されていれば「腎」の老衰を避けられるからである。




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【手荒れ】

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、「手洗い」や「手指消毒」が増えている。そのため手指は一日に何度も消毒液や水に触れ刺激を受けやすくなっており、新生活様式で手肌は過酷な環境になっていることが考えられる。さらに気温や湿度が低下する今の時季は、乾燥によるささくれや手荒れがより起こりやすくなっているといえる。


手肌のうるおいも顔と同様、皮脂・NMF(天然保湿因子)、細胞間脂質のバリア機能により保たれている。しかし手の甲には皮脂腺が数個しかなく、手のひらには皮脂腺がないため、身体の中で手は乾燥しやすい部位になる。

さらに指先はよく物と接触するため刺激を受けやすい上、水分蒸散量が多くバリア機能が低いため、ささくれたりぱっくりひび割れを起こしやすくなる。


手荒れがひどくなると、見た目や痛さだけでなく細菌などが皮膚上に残りやすくなってしまうことがわかっている。 そのためウィルスやアレルゲンの影響を受けやすくなるともいわれている。美容上の問題だけでなく、健康、衛生のためにも手肌をいたわり丁寧にお手入れをして手あれを防ぐ必要がある。‎




【キレイを保つハンドケア】

①油ベースのハンドクリームを使う

油ベースのハンドクリームは手肌に膜をつくり撥水性が高いため、洗浄や水仕事をしてもセラミドや脂肪酸コレステロールなどのバリア機能が失われにくい。

塩化ナトリウムや硫酸マグネシウムなど「塩」が入っている成分設計のものは油ベースのハンドクリームである可能性が高い。ハンドクリームの前に化粧水を塗布するとより保湿効果が期待できる。


②ぬるま湯で洗う

手肌を清潔に保つために必要不可欠な手洗いであるが、熱いお湯で洗浄するとバリア機能が低下して手肌の乾燥を招く一因になる。一方、冷たい水で洗浄すると血流が悪くなり栄養が皮膚に行き渡りにくくなるため、ひび、あかぎれを起こしやすくなる。


③消毒液を使った後はすぐ保湿する

消毒液はウイルス、細菌を消毒することができるとともに、消毒液に含まれるエタノールが揮発するときに角質層内の水分も一緒に蒸散してしまうことが知られている。それだけでなく、エタノールによって皮膚の皮脂は溶けてしまうため、皮膚にもともと備わっているバリア機能が損なわれて手荒れの原因になる。

消毒後はハンドクリームで手の甲や手のひらなど広い部分だけでなく、指の間の“みずかき”といわれる部分や乾燥しやすい指先まで丁寧に塗り込むことが重要である。




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早くも師走、ご多用中のことと存じます。

平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。


早速ではございますが、年末年始の営業日を下記の通りとさせていただきます。

皆さまにはご不便とご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承の上、万障お繰り合わせいただきますようよろしくお願い申し上げます。


新しい年の皆さまのご多幸をお祈りいたします。



                      記


        年内営業   令和3年12月27日(月)まで

        年始営業   令和4年   1月 5日(水)より







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【心臓と顔色の関係】

東洋医学でいう五臓の「心」の主な働きは、血管を通して血液を全身に循環させると考えられている。現代医学でも、心臓は血液循環をおこすための器官とされている。人体が生存する間、心臓は止まることなく跳動して、断えず静脈から送り込まれる血液を一定の圧力で動脈血管へと送り出して血液循環を推動しているのであるが、これと東洋医学で表現する「心は血脈を主る」といった認識とはほとんど一致しており、現代医学の循環器系は「心」が支配していることを説明しているといってよい。


心と血脈の異常は顔色にあらわれるといわれている。所見で顔面紅潮があらわれた場合は、心臓と血管の病証を考慮しなければならない。



【赤ら顔の病証の特徴】

栄養満点の血液が心臓からスムーズに送り出され全身をくまなくめぐっていれば、頬がほんのり赤く、皮膚は光沢がある。

赤ら顔の反応は基本的には心臓の働きが過剰になっていることを指している。

心臓の働きが過剰になるのは、体の中にこもった熱が原因といわれている。ヒトの体は熱がこもると血液の濃度は濃くなってドロドロになり流れにいくい状態になる。そのため心臓はドロドロした流れにくい血液を全身に運ぶためにフル回転することになり、オーバーヒートしやすくなる。


さらに女性は月経、妊娠、出産等の繰り返しにより次第に骨盤内蔵器を中心に血液の粘度が高くなる。粘度の高い状態の血液は全身の血行動態の異常が生じるだけでなく、自律神経の失調を引き起こし更年期障害の大きな原因のひとつになっている。この場合、血液が顔に上がって充血するため顔色は赤暗色を帯びる。


比較的体力があるタイプの方は熱をしずめる養生を、一方体力が弱いタイプの方は熱を発散させる養生がおすすめである。






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【糖化】

糖化はタンパク質と糖質が結合して起きるメイラード反応のことをいう。

ローストした肉、フライドポテト、トーストなどの褐色と芳香はメイラード反応によるタンパク質と糖質の結合の結果である。食品だけでなく、歳月を経た本や写真が黄ばんでくることや有機物が分解して准積した土が褐色であることも、タンパク質と糖質の結合によるものである。


このメイラード反応は、生体内でも起こる反応のひとつであることが知られている。ヒトの体内にはタンパク質も糖質も解媒もあるため、体温で完全な反応が起きる。体内ではこの反応によって、終末糖化産物(AGEs)と呼ばれる数種類の化合物群が産生する。

終末糖化産物(AGEs)には蛍光性、褐色変化、タンパク質の結合に交差結合タンパク質と呼ばれる異常を起こすなどの特性があり、この特性がさまざまな病的老化を促進することがわかっている。

また、終末糖化産物(AGEs)はアルコールや脂質代謝物のアルデヒドからも生成されるほか、高温調理した食品中にも含まれており、食事性による糖化ストレスリスクも高い。



【糖化と美容】

皮膚や毛髪にも終末糖化産物(AGEs)は影響を及ぼすことが知られている。

皮膚が糖化ストレスを受けると、角質層、表皮、真皮すべてに終末糖化産物(AGEs)が蓄積してコラーゲンの三次元構造を変化させる。その影響により皮膚が黄黒くなる、肌理が粗くなる、弾力が低下する、硬くなることがわかっている。


それだけではなく、糖化反応は髪質の劣化や脱毛を促進するといわれている。加齢やヘアカラーによって毛髪中の終末糖化産物(AGEs)は増加する傾向にある。特に髪の基部よりも先端部に終末糖化産物(AGEs)は蓄積しやすいことが報告されている。



【糖化ケア】

糖化ストレスリスクが高まる生活習慣は、喫煙、週4日以上の飲酒、睡眠環境の悪化があげられる。「抗糖化」の新語が2019年に登場すると新たな美容のテーマとして業界では大きな関心を寄せられた。糖化の概念については一定の難しさがあるものの、2020年に女性800名を対象に糖化に関する意識調査を実施したところ、女性の2人に1人が糖化を認知しており、その中でも30代女性で糖化対策への関心が高い結果となった。


糖化反応抑制成分である「桜の花エキス」「紫茶エキス」「マキベリーエキス」などを配合した美容商品や頭髪や頭皮の糖化ケアに着目したシャンプー、トリートメントが発売されている。


食事による糖化ケアにおいては、米飯の単独摂取よりも米飯とからあげや餃子などのタンパク質、脂質を同時に摂取することが食後血糖値の上昇が穏やかになることがわかっている。さらに食事中に酢、クエン酸等の酸を同時に摂取することで食後高血糖抑制作用に強く影響するといわれている。また日本料理の中心となる「だし」は糖化反応の抑制をするため、糖化ケア食材として期待できる。





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【気候と身体の変化について】

秋は立秋から始まり、処暑、白露、秋分、寒露、霜降を経て立冬までの三ヶ月をいう。

東洋医学の理論において、夏は成長して栄えたパワーが全身に巡っていると考えられており、その生命力を寒い冬に備えて体内に深く収めていく季節が秋になる。この働きが順調にいかなくなると呼吸器系が損なわれるといわれている。そのため呼吸器系と関連している鼻や気管や皮膚に不調がおこりやすくなる。


夏は気候の暑さの影響で身体も熱くなり、体温を調節するために汗をよくかいて皮膚・毛孔が開いて水分や老廃物を排出する。秋になると徐々に涼しくなり乾燥してくることから、身体から汗が出なくなり、呼吸器系に余分な水分や老廃物が溜りやすくなる。その結果、鼻水や鼻づまり、咳、喘息、痰、皮膚病などの症状がでやすくなることが明らかになっている。


さらに身体は季節で変化するだけではなく、心の状態でも変化する。日照時間を短くなる秋はセンチメンタルな感情が生じやすい。「悲しい」「憂い」などの感情が強くなると、呼吸器系が弱りやすくなるといわれている。



【秋の養生法】

一年の中で秋は天高く馬肥ゆる季節であり、肺はこのきれいな空気のように、いつも清潔な状態を保ち、乾燥を嫌い、潤うことを好む。

潤いは夜寝ている間につくられるため、できるだけ早く寝ることをこころがけることで臓器や皮膚の乾燥を防ぐことができる。

「静」と「動」いうならば、秋は「静」の季節であることから、あまり激しい運動をし続けずに、軽めの運動の方がよいといわれている。


肺を潤わせて癒す働きのある食べ物は、白いもの、辛味のものといわれている。

ただ注意したいのは、夏の暑さがまだ残っている初秋の時期は、身体はほてりながら乾燥がはじまっている状態であるため、身体の熱感をとりながら潤してくれる白くて辛くないもの(豆腐、れんこん、さといも、白きくらげ、豚肉、いか、ほたて、バナナ、梨など)がおすすめである。




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【‟たれる”と胃腸の関係性】

東洋医学では消化吸収をつかさどる場所である胃腸には、重力に逆らって上に持ちあげる働きがあると考えられている。これを固摂作用という。主として胃腸の固摂作用によって臓器や組織の位置は維持されているといわれている。


ところが胃腸が弱っていると定位置に持ちあげておくことが果たせなくなり、身体のいろいろなところが下降する傾向になる。症状の特徴としては、胃下垂、子宮下垂、腎下垂、脱肛、長期の下痢、尿失禁などがあらわれる。その他にはまぶたや下顎のたるみ、胸やお尻が下にたれることがよくみられる。


さらに胃腸には、飲食物の栄養分を身体の上部に送る働きがある。

しかし、消化吸収の力が低下する状態が続くと同時に身体に役立つ滋養物質を上昇させる力も衰えるため、めまいや目のくらみといった症状を引き起こす。それだけではなく、食事をすると眠くなったり、だるくて横になりたくなるといった症状があらわれやすくなる。



【下陥の治法】

胃腸のエネルギー不足や維持機能が衰退することにより各臓器や組織の生理的な機能が失調することによって、身体のいろいろなところに下陥が出現するといわれている。そのため東洋医学の原則である「虚すればこれを補い」にしたがって、胃腸を滋養強壮して消化吸収の機能を高める治法を行うとよい。

胃腸を整えるためには、冷たいものや水分をとり過ぎない、よく噛んで食べる、筋肉を鍛えることが大切になる。



《消化吸収を促進して、体力を増強する効果のある食材》

もち米、黒米、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、水飴、いんげん豆、黒豆、大豆、ひよこ豆、栗、落花生など


《胃腸を元気にして臓器や組織を上に持ちあげる効果のある食薬》

高麗人参、ヤマイモ、リコリス、ナツメ、霊芝、黄耆、ハチミツなど




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【ビタミンA】

ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種である。体内では肝臓に貯えられており、毎日必要なビタミンA量を血液中に送り出している。ビタミンAは強力な抗酸化物質の一つとして、活性酸素の攻撃から細胞を守る働きを発揮する。それだけでなく細菌感染を防いだり、体の寒さに対する抵抗力を高めたりする。


皮膚のコンディションを正常に保つための鍵を握っているのはビタミンである。なかでもビタミンAは、皮膚が本来もっている新陳代謝の機能を回復させて、正常化する働きがある。さらに活性酸素や紫外線によって受けた皮膚ダメージ(シミ、シワ、たるみ、くすみなど)を修復して再生するといわれている。


食べ物からとったビタミンAは皮膚に到達するまでには時間がかかり、さらに届く量はとった量よりも少なくなってしまうことがわかっている。そのため着実に皮膚に届けるためには、スキンケアが効果的である。



【ビタミンAの種類とつき合い方】

ビタミンAにはいくつか種類がある。皮膚の中に存在するビタミンAは91%がパルミチン酸レチノールで、その他はレチノール、レチナール、レチノイン酸がそれぞれ3%ずつと含まれるといわれている。ただし紫外線にあたると簡単に失われる。


塗るビタミンAの働きは以下になる。

♦にきびを改善する。

♦角層の水分含有量を上昇させる。

♦毛穴の開きを改善する。

♦日焼けによりダメージを受けた皮膚を回復、再生させる。

♦表皮を厚くする。

♦ヒアルロン酸の産生を増加させる。

♦不良化したエラスチンを取り除く。

♦真皮の細胞を刺激して新たなコラーゲンの産生を促進する。

♦血流を改善して、より多くの栄養素と酸素が皮膚に供給されるようになる。



《レチノイン酸》

「最強のビタミンA」といわれており、ビタミンAの中間代謝物である。あらゆるエイジングサインの皮膚に高い効果を発揮する。化粧品には配合できず、医薬品としてのみ使用できる。美容皮膚科の分野では「クリグマントリオ」といい、日本では「トレチノイン療法」ともいわれている。

作用としては皮膚の入れ替わりのサイクルを早めることで肝斑やシミのもとになるメラニンを排出し、余分な角質の剥離を促す一方、加齢によって薄くなった表皮を厚くする。


レチノイン酸には催奇形性といって、赤ちゃんに障害を及ぼす可能性があるため、妊娠中、授乳中、妊娠を希望している人は使用を避けた方がよい。


刺激性 ★★★★★

浸透性 ★★★

安定性 ★



《レチナール》

化粧品に配合されているビタミンAの中でもっとも効果が高いといわれている。光や熱に対して不安定であるため、日本ではレチナールが配合されている化粧品はほとんどない。


刺激性 ★★

浸透性 ★★



《レチノール》

抗シワの有効成分として認められている医薬部外品である。抗シワの効果を発揮する成分として謳われているレチノールの場合は「純粋レチノール」と表記され区別されている。

効果と副作用のバランスがとれているため、多くの化粧品に配合されている。過去の日光照射による光老化に対して有効である。

皮膚を紫外線から守る働きはないので、慎重な紫外線対策が必要にある。


刺激性 ★★★

浸透性 ★★★★

安定性 ★



《パルミチン酸レチノール》

「守りのビタミンA」と呼ばれており、自然の日焼け止め剤として働く。皮膚に塗布することで、光老化の原因であるUVAを吸収してDNAがダメージを受けないように保護する。SPF20ほどの紫外線防御力があるといわれている。安定性が高く、皮膚への刺激が少ない形態であるため、毎日のスキンケアに適している。


刺激性 ★

浸透性 ★

安定性 ★★★★★





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