美容の実力 見た目年齢に影響する たるみ

【たるみ】

たるみは重力で顔の形状が下垂した状態である。各部位でたるみが起きるが眼の下部、頬部で顕著であるため皮膚が凸凹と変化して顔が大きくなる。たるみは20代ですでに始まり、加齢ととも増加する。

皮膚の色見やシミ、小じわ等は化粧である程度隠すことができる。しかしたるみのような大きな形状の変化は隠すことは難しい。そのため見た目の年齢を若々しく保つためには、たるみへの対応が重要となる。



【たるみが進む要因】

①日焼け

顔面は太陽光に直接さらされ、「露光部」と呼ばれる。太陽光の中でも紫外線は皮膚に様々なダメージを引き起こす。紫外線の中でもUVAは真皮層の上部まで到着し、線維芽細胞のDNAにダメージを及ぼす。これにより線維芽細胞のコラーゲン産生能が低下する。さらにダメージを受けた線維芽細胞からは、コラーゲンを分解する酵素が産生され、周囲のコラーゲンが分解される。

このようにコラーゲンの産生の低下、分解が進むことで皮膚の弾力性は失われる。



②マッサージ

コロコロローラーなどで物理的にマッサージをすると、一時的に顔の水分を体へ移動させてむくみをとることはできる。今現在マッサージによって顔が小さくなるというエビデンスはなく、半日で元に戻るといわれている。


マッサージは皮膚の表面を慢性的に刺激されるため、肝斑ができる可能性がある。さらに皮膚を物理的にひっぱることになるため、真皮の大部分を構成するコラーゲンを破壊させたり、皮膚と筋肉または骨を繋げている靭帯は伸びてしまう。このことからも皮膚への摩擦はたるみにつながる。



③骨量の低下

よく「歳をとると身長が縮む」といわれているが、背骨が痩せて減少していくからである。一般的には背骨は40歳を境に、顔の骨はもっと早く30歳から少しずつ痩せ始めるといわれている。

顔の土台となるとても重要な部分が痩せて縮むとその上につく皮膚や皮下脂肪も崩れ落ちてしまう。この崩れがこめかみや眉毛の上、目頭の下の凹みや輪郭のボコボコ感となって皮膚表面にあらわれる。



④過度な食事制限

ファスティングやダイエットなどで絶食、小食をすることによって飢餓状態が続くと、体はカタボリック(異化)※現象が起こる。それによって体内のタンパク質は必ず分解される。このとき当然顔面のタンパク質(筋肉やコラーゲン)も分解されて、皮膚はたるむ。

不規則な食生活は同時に骨に含まれるタンパク質も減少させる。そのため骨密度は低下傾向になる。


※カタボリック(異化)・・・エネルギー不足のときに筋肉が分解されること



⑤肥満

皮膚の強度を与え、表面形状の維持に機能しているのは主に真皮である。真皮の大部分はコラーゲンに満たされている。コラーゲンの周囲に取り巻くように存在するエラスチンは、弾力をもたらす重要な成分である。


皮下脂肪量の増加に伴い、真皮中のコラーゲン、エラスチン量が減少することがわかっている。健常人に対し、肥満の人では脂肪細胞は肥大化している。肥大化した脂肪細胞ではコラーゲン、エラスチンを分解する酵素の分泌が高まる。さらに真皮に肥大化した脂肪細胞が存在すると、コラーゲン、エラスチンの遺伝子発現が低下する。このように皮下脂肪が増加すると、真皮が負に制御され、皮膚表面の形状を支えることが困難となる。



⑥無表情

顔には表情をつくり出す筋肉(表情筋)が存在する。表情筋の末端は皮膚に結合しており、表情筋が皮膚の保持に関与している。

口元から鎖骨のところにつながっている大きな筋肉(広頚筋)は口角を下方に引く働きがあり、皮膚にハリをあたえる。この筋肉は加齢や表情の乏しい生活習慣により膨らみ硬くなることがわかっている。次第にこの重くなった広頚筋が表情筋に負担をかけるだけでなく、頬周囲に悪影響を及ぼしてほうれい線やフェイスラインのもたつきを増強させる原因になる。




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