抗糖化

【糖化】

糖化はタンパク質と糖質が結合して起きるメイラード反応のことをいう。

ローストした肉、フライドポテト、トーストなどの褐色と芳香はメイラード反応によるタンパク質と糖質の結合の結果である。食品だけでなく、歳月を経た本や写真が黄ばんでくることや有機物が分解して准積した土が褐色であることも、タンパク質と糖質の結合によるものである。


このメイラード反応は、生体内でも起こる反応のひとつであることが知られている。ヒトの体内にはタンパク質も糖質も解媒もあるため、体温で完全な反応が起きる。体内ではこの反応によって、終末糖化産物(AGEs)と呼ばれる数種類の化合物群が産生する。

終末糖化産物(AGEs)には蛍光性、褐色変化、タンパク質の結合に交差結合タンパク質と呼ばれる異常を起こすなどの特性があり、この特性がさまざまな病的老化を促進することがわかっている。

また、終末糖化産物(AGEs)はアルコールや脂質代謝物のアルデヒドからも生成されるほか、高温調理した食品中にも含まれており、食事性による糖化ストレスリスクも高い。



【糖化と美容】

皮膚や毛髪にも終末糖化産物(AGEs)は影響を及ぼすことが知られている。

皮膚が糖化ストレスを受けると、角質層、表皮、真皮すべてに終末糖化産物(AGEs)が蓄積してコラーゲンの三次元構造を変化させる。その影響により皮膚が黄黒くなる、肌理が粗くなる、弾力が低下する、硬くなることがわかっている。


それだけではなく、糖化反応は髪質の劣化や脱毛を促進するといわれている。加齢やヘアカラーによって毛髪中の終末糖化産物(AGEs)は増加する傾向にある。特に髪の基部よりも先端部に終末糖化産物(AGEs)は蓄積しやすいことが報告されている。



【糖化ケア】

糖化ストレスリスクが高まる生活習慣は、喫煙、週4日以上の飲酒、睡眠環境の悪化があげられる。「抗糖化」の新語が2019年に登場すると新たな美容のテーマとして業界では大きな関心を寄せられた。糖化の概念については一定の難しさがあるものの、2020年に女性800名を対象に糖化に関する意識調査を実施したところ、女性の2人に1人が糖化を認知しており、その中でも30代女性で糖化対策への関心が高い結果となった。


糖化反応抑制成分である「桜の花エキス」「紫茶エキス」「マキベリーエキス」などを配合した美容商品や頭髪や頭皮の糖化ケアに着目したシャンプー、トリートメントが発売されている。


食事による糖化ケアにおいては、米飯の単独摂取よりも米飯とからあげや餃子などのタンパク質、脂質を同時に摂取することが食後血糖値の上昇が穏やかになることがわかっている。さらに食事中に酢、クエン酸等の酸を同時に摂取することで食後高血糖抑制作用に強く影響するといわれている。また日本料理の中心となる「だし」は糖化反応の抑制をするため、糖化ケア食材として期待できる。





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