美肌の科学

表情筋機能と顔の形状

【顔面筋】

顔面には表情を作り出す表情筋、咬合筋(咬筋)が存在する。いずれも骨格筋である。表情筋は30以上の種類が存在する。骨格筋は通常、骨と骨または靭帯を繋ぐが、表情筋は皮膚と深部組織を繋ぐことが特徴である。そのため筋肉を収縮させることで皮膚を牽引し、表情が創出される。咬合筋(咬筋)は上顎と下顎を繋ぎ、下顎の挙上に機能している。

【たるみと顔面筋】

たるみと顔面の筋機能との関係性を解析し、表情筋機能が低い被験者程、たるみが大きいことが報告されている。一方、咬合筋(咬筋)機能とたるみの間には有意な関係性は認められない。また、上図のように表情筋の末端は皮膚に結合しており、表情筋が皮膚の保持に関与していると考えられる。そのため筋機能が低下することで、皮膚の保持力が低下し、たるみに繋がると考えられる。

筋機能を麻痺させる薬剤(ボツリヌストキシン)を過剰に投与すると、たるんだ顔貌となることが知られており、このことからも、表情筋が皮膚を保持することがわかる。

表情筋の機能は加齢とともに低下することが知られている。また表情筋は骨格筋であり、骨格筋は活動量が低下するとその機能も低下する。そのため加齢や表情筋の乏しい生活習慣(表情筋の活動量が低下した状態)により、表情筋の機能は低下し、たるみに繋がる。


【表情筋へのアプローチ】

骨格筋を負荷を伴う運動により表情筋機能は向上する。これは高齢者においても同様で、適切な筋負荷による運動を継続することで、筋機能が改善することが知られている。そのため表情筋に対して適切な負荷を伴う運動を行うことで筋機能を改善し、たるみを改善することが可能と考えられる。


筋機能とは運動を伴う筋活動の総称であり、様々な要素を含む。骨格筋の収縮は神経刺激によりもたらされる。そのため筋を支配する神経細胞数、神経と筋の接合状態、筋線維タイプや筋細胞数等、様々な要素が筋機能を左右する要素となる。加齢や不活動に伴い、この各要素が変化することから、たるみの改善には、個別の要素を対象とするよりは、筋機能全体の改善を目指すことが妥当と考えられる。

筋機能を改善するためには、単に表情を繰り返るだけでは筋肉に負担がない状態であり、効果が期待できない。また表情筋は体部の筋と比較して総じて繊細であり、用具などで負荷をかけることが困難である。


一方で、手や口により筋肉の動きを制限した状態で運動を行うことで、十分な負荷をかけることが可能である。また筋肉には、その組織と拮抗して働く筋肉が存在する。例えば上瞼を引き上げる上眼瞼挙筋に対して、瞼を閉じる眼輪筋が拮抗する。そのため拮抗筋を意図的に収縮させて目的とする筋肉の動きに負荷をかけ、その状態で運動を行うことで、筋機能の改善が期待される。

眼輪筋の活動を意識しながら目を閉じ、その状態を維持しながら上眼瞼挙筋を意識して上瞼をゆっくりと引き上げる。他の表情筋に関しても、このような運動を行うことで負荷を伴う運動状態を作り出すことが可能である。


こうした一連の表情筋運動を継続することで、たるみの改善に繋がることを確認されている。被験者のたるみ改善の実効感も非常に高いことから、見た目の老化の改善には極めて有用な手段の一つと考えられる。

幸い、表情筋運動を開始すると、その当日から顔の筋肉が張るといった実感を伴う。さらに1週間程でたるみ改善の実効性を感じることができる。

一般に筋運動は継続して実施することが重要である。中断により効果は著しく低下する。そのため、こうした高い満足感をうまく活用することで、継続性の高い有用な美容法に繋げることが可能と考えられる。




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