美しさのまとい方 口腔疾患

【口腔乾燥症】

口腔乾燥症は、腺因性、薬剤性、糖尿病などの全身性代謝疾患によるもの、および神経性の四つに大別される。実際の臨床においてはまず腺因性疾患であるシェーグレン症候群(※)、次に薬剤性が疑われるが、近年はストレスなどの精神的要因が注目されている。また、中高年の女性では更年期障害が口腔乾燥症の原因となる。

口腔内の異常乾燥感、舌痛症、および味覚障害が一般的な自覚症状であるが、二次的病態として口臭、摂食嚥下障害、う蝕、歯周病、粘膜疾患、上部消化器障害などが随伴することもある。

※シェーグレン症候群・・・涙腺や唾液腺などの慢性的な炎症により腺分泌低下をきたす自己免疫疾患である。


ストレスと口腔乾燥症

唾液腺は副交感神経ならびに交感神経による二重支配を受けるが、これは拮抗的二重支配ではなく、ともに唾液の分泌を促進し、前者が優位な状態では粘稠性の低い唾液を大量に、後者が優位な状態では粘稠性の高い唾液を少量分泌する。

ストレス下では交感神経-副腎髄質系の活性化により唾液分泌は低下、口腔乾燥症の発症へとつながる。唾液はバイオフィルムの制御において重要な役割を果たしており、したがってストレスはう蝕や歯周病の増悪因子となりうる。


【顎関節症】

顎関節症は、顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節音、開口障害あるいは顎運動異常を主要症候とする障害の包括的診断名である。

思春期・青年期、および中年期以降の女性に好発し、発症頻度は男性に比べ2~3倍高い。顎関節痛に関しては月経周期依存性の変動があり、エストロゲンの関与が示唆されている。

顎関節症の原因はいまだ十分に解明されていないが、不安や抑うつなどの精神症状を伴うことも多く、現在では生物心理社会モデルに基づいた多因子性の疾患と捉えられている。


【睡眠時ブラキシズム】

睡眠時ブラキシズムは、睡眠中のグラインディング(歯ぎしり)またはクレンチング(食いしばり)を特徴とする口腔異常機能活動であり、睡眠関連運動異常症に分類される。多因子性の疾患であり、その発症にはストレス、性格、遺伝、生活習慣など、さまざまな因子が関与するが、咬合状態の関与については否定的な見解がなされている。

また、顎関節、筋肉、歯、歯周組織などの顎口腔系に負荷を与えることから、歯周病や顎関節症の増悪因子と捉えられている。有病率は小児において高く加齢とともに減少し、大きな性差は認められていない。


【口内炎】

口内炎は、口腔や舌の粘膜に発症する炎症の総称である。手足口病などのウイルス性感染症に随伴して起こる場合や、歯垢や不敵合補綴物などの刺激や、疲労、風邪などの全身状態の悪化により細菌感染が起こり潰瘍性の口内炎が出現する場合、癌化学療法の副作用として口内炎が発症する場合などがあるが、もっとも頻繁が高いのはアフタ性口内炎である。

アフタ性口内炎の発症のメカニズムとして以下のことが考えられているが、正確には解明されていない。

・偏食による鉄分やビタミンの欠乏

・ストレスや睡眠不足

・不正咬合や、歯ブラシなどによる粘膜への物理的刺激

・唾液の不足、口腔の乾燥

・口腔内の不衛生

・歯磨き粉成分による粘膜の損傷(ウラリル硫酸ナトリウムなど)

<東洋医学からみた口内炎>

東洋医学では、生体の免疫反応を診察によって判断する。

気(気力・体力)が足りない者が、睡眠不足や旅行、偏食、ストレス、疲労、あるいは感冒などの後に発症する。気を補い、免疫力を高めることによって治癒へのよい循環ができる。

ウイルスや細菌感染による炎症や飲食の不節制、あるいは刺激性飲食物や薬物に起因する場合には、炎症を鎮める消炎、清熱をはかる。

ライフステージからみると、思春期から成熟期の口内炎は熱感が強いことが多い。更年期にはやや気を補いながら清熱する治法を用いる。


♦補気(気力、体力を補う)の食材・食薬

赤米、うるち米、餅米、サツマイモ、ジャガイモ、枝豆、エンドウ、鮭、サバ、トビウオ、マナガツオ、牛肉、鶏肉、酒粕、ハチミツ、甘草など


♦清熱(炎症や体内にこもった熱を摂る)の食材・食薬

粟、小麦、春雨、緑豆、アスパラガス、アロエ、金針菜、キュウリ、バナナ、スイカ、ビワ、キウイフルーツ、ウコン、蒲公英、緑茶、など


※食薬・・・食材でありながら生薬として効能をもっているもの



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