美容の実力 毛穴問題

顔の全体にある毛穴は約20万個あるといわれ、その数は生まれたときからほとんど変化しない。働きとしては、保護、うるおい、デトックス、抗菌があり美容と健康には欠かせない。そこで毛穴が開いてしまう根本的な原因を解説する。

【毛穴開きの種類】

《詰まり毛穴》

毛穴の黒ずみが目立ち、触るとザラザラしているのが特徴。

皮脂が必要以上に分泌されていると、余分な皮脂によって毛穴が広がる。それだけではなく、毛穴や皮膚表面にとどまっている汚れや古い角質などが皮脂と混ざり大気中の酸素の影響を受けて、酸化が起こるため黒くみえる。皮脂分泌は男性ホルモン分泌が活発な人に多く、高脂肪食や紫外線も要因するといわれている。角栓つまりは皮膚のターンオーバーが関係している。



《たるみ毛穴》

毛穴が縦長の楕円形状に広がってみえるのが特徴。

真皮内を斜走して毛包に付着している筋肉を「立毛筋」という。立毛筋が収縮すると毛穴が締まり毛が直立する。ヒトでみられる鳥肌は、立毛筋が収縮することによって起こる現象である。平滑筋の一種である立毛筋は交感神経によって支配されており、自分の意志では動かすことはできない。

立毛筋は緊張を保ち、収縮ことによって働きを維持している。つまり、皮膚の存在する立毛筋は毛穴を引き締める働きを担う。加齢とともに立毛筋を構成する平滑筋細胞の働きは衰えて筋肉は弛緩することが知られている。筋力の低下した平滑筋細胞にはα平滑筋アクチン(αSAM)※というたんぱく質が多く発現しており、皮膚と筋肉が軟化することがわかっている。真皮層のコラーゲン線維の変性が起こる一因は、これに関連する。そのためα平滑筋アクチン(αSAM)が蓄積した皮膚は弾力を失い、ハリがなくゴワゴワした質感になる。


※α平滑筋アクチン(αSAM)

αーsmooth muscle actinのこと。細胞の骨格として重要な役割を果たす繊維状のたんぱく質で細胞の機能低下を調べるマーカーとして知られている。筋細胞では、筋肉組織の弛緩およびに収縮に寄与する。


【スキンケアの実際】

⦅詰まり毛穴》

♦アスコルビン酸

ビタミンCのことで、飲料にも酸化防止剤として添加されている。皮膚は紫外線にあたると皮脂量は増加する。それだけではなく毛穴開きにつながることがわかっている。アスコルビン酸は紫外線や活性酸素による皮膚の酸化が原因の皮膚トラブルを予防する。


効果・・・皮脂分泌抑制 抗炎症、抗酸化、美白、抗シワ


選び方・・・分子の構造を少し変えたエステル、誘導体と呼ばれるもの


♦酵素

毛穴に詰まった角栓(皮脂とたんぱく質が混じりあったもの)や汚れを除去する働きがある。酵素入りの洗顔パウダーとしてよく存在している。毛穴の気になる部分にクレンジングオイルをつけてしばらくおくと皮脂はやわらかくなるため、合わせて使うと相乗効果を得ることができる。


効果・・・洗浄、角栓除去


選び方・・・水にふれない形状の容器のもの



《たるみ毛穴》

♦テトラヒドロピペリン

テトラヒドロピペリンは黒コショウの果実から抽出された成分である。元々皮膚コンディショニング剤として多くの化粧品に配合されている。真皮の毛包にある平滑筋の一種である立毛筋のαSAM蓄積量を減少させる働きがある。


主な作用・・・αSAMの蓄積改善、立毛筋の機能促進、毛穴収縮、血行促進、皮膚の弾性改善


選び方・・・リポソーム化したもの




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